こんにちは!
今回ご紹介するのは、2016年雪組公演「ドン・ジュアン」です。
当時雪組の2番手であった望海風斗さんが主演を務めたこの作品、当時はかなりの人気でプレミアチケット化していたことで印象深いファンの方もいるのではないでしょうか。
望海風斗さんの代表作の一つである「ドン・ジュアン」について、観劇の感想とあらすじや見所をまとめました!
どうぞ最後までお楽しみください。
目次
ドン・ジュアンの概要
公演概要
ミュージカル『ドン・ジュアン』
«DON JUAN» un Spectacle Musical de FELIX GRAY
International Licensing & Booking of «Don Juan» NDP Project
・脚色・演出/生田 大和
・KAAT神奈川芸術劇場
・公演期間
2016年6月18日(土)~6月26日(日)
・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
公演期間
2016年7月2日(土)~7月12日(火)
主なキャスト
・ドン・ジュアン : 望海風斗
→真実の愛を知らず、毎夜酒場に入り浸り女性をとっかえひっかえする稀代のプレイボーイ。
・ドン・ルイ : 英真なおき
→ドン・ジュアンの父。
・イザベル : 美穂圭子
→ドン・ジュアンの昔の女。 彼の行動を見守る。
・騎士団長/亡霊 : 香綾しずる
→娘をドン・ジュアン に手ごめにされた上、殺されてしまう。
その怨念は亡霊となりドン・ジュアン の前に現れる。
・ドン・カルロ : 彩風咲奈
→ドン・ジュアン の友人。彼の堕落的な行動を咎め、心配する。
物語の語り部的な存在。
・ラファエル : 永久輝せあ
→マリアの恋人。戦地に赴いている間に心変わりしてしまったマリアを取り戻すべく、ドン・ジュアン に決闘を挑む。
・エルヴィラ : 有沙瞳
→敬虔な修道女だったがドン・ジュアン に心を奪われ結婚。
出て行ってしまったドン・ジュアン を追いかけている。
・マリア : 彩みちる
→騎士団長の彫像を制作する石工。ドン・ジュアン と運命的な出会いを果たす。
ドン・ジュアンのあらすじ
モーツァルトのオペラで有名な「ドン・ジョバンニ(=ドン・ジュアン)」の伝説を原作とし、フランスで制作されたミュージカルです。
ドン・ジョバンニをご存じの方は多いですよね。
オペラの「ドン・ジョバンニ」は、放蕩の末に騎士団長の呪いで地獄に引きずり込まれるという悲惨な終わり方で救いがありません…。
言ってみれば、バッドエンド。
その為、この公演が発表された時は
「宝塚でそれが出来るのか?」
とファンからの困惑と期待がかなりあったように感じます。
その心配は実力派のキャストと宝塚ならでは愛の描き方で杞憂に終わりました!
スペインが舞台ということで、宝塚ではなかなか見られないくらいの激しいフラメンコを取り入れており、見応えが満載な作品です。
【あらすじ詳細】
2004年にカナダで初演、その後もパリや韓国で上演されたフランス産ミュージカル「ドン・ジュアン」の日本初上演。
女と酒、そして快楽を求め続け、数多の女達を魅了するセクシーなプレー・ボーイ、ドン・ジュアン。
ある晩、いつもの如く女との愛を愉しんでいたドン・ジュアンは、女の父である騎士団長の怒りに触れ、決闘に至る。
闘いの果て、ドン・ジュアンは勝利を収めるが、騎士団長は「いつか、『愛』がお前への罰になるだろう」という言葉を遺し、事切れる・・・やがて遺された言葉は呪いのように亡霊の姿を得て、ドン・ジュアンに付きまとうようになる。
事件の後、そんな呪いの言葉も恐れる事無く、ドン・ジュアンは変わらずに快楽を貪り続ける。
しかしそんな日々の中、運命に導かれるように、かつてドン・ジュアンが殺した騎士団長の石像を作る彫刻家の娘、マリアと巡り会う。
それは、ドン・ジュアンを苦しめる「愛の呪い」の始まりであった・・・
(引用:宝塚歌劇公式ホームページ)
ドン・ジュアンの観劇の感想と見どころ(ネタバレあり)
とにかく望海風斗さんに圧倒される
この物語は、望海風斗さん演じるドン・ジュアンが女・酒・快楽を求め続ける男だったところから、自分にとっての愛を知って自分の生き様を見直すところを描いています。
・プレイボーイの時
・マリアと出逢って愛を知った時
・そしてラストにかけての決闘の場面…
望海風斗さんのスゴイと思うところは、同じ役にも関わらず場面や状況によって観客が感じ取るものを変えられる点にあるのではないでしょうか。
その理由は歌だと思います!
望海風斗さんの歌の上手さ、そしてお芝居の上手さは誰もが知るところ。
ですが、この作品を見てあらためて納得させられました。
台詞を言うように歌う=レベルが高い
なんて言われますが、その頂点にいるのが望海風斗さんなんじゃないか…と思わずにはいられない。
とにかく歌から伝わる心情の変化が凄まじいんです!
その望海風斗さんの存在感に負けないようカンパニーが一丸となって集中している為、この公演の後には雪組全体のレベルがかなり上がったように感じました。
劇場の天井を突き破ってしまうんじゃないかと言うほどの迫力。
また劇場で体感したいな…と思いつつ、動画でもぞんぶんに迫力を感じられると思います!
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切なすぎる各登場人物の心情
この物語に出てくる登場人物は、みんな良くも悪くもドン・ジュアンに関わることによって人生が変わっていきます。
そのキャラクターたちの心情が皆切ない!
彩風咲奈さん演じるドン・カルロは、ドン・ジュアンの妻であるエルヴィラにも、ドン・ジュアンにも想いを寄せているようにも見える、とても奥深いキャラクター。
作中では最も理性的な考え方を持つキャラクターなのですが、そのため周りから逆に浮いて見えるのが面白いです。
彩風咲奈さんがこんなに骨太な男役さんだったとは…と思わせてくれた点も印象深いですね…!
ドン・カルロとドン・ジュアンが歌う場面では二人の主張がずっとすれ違っており、ラストにかけての展開を考えるとカルロの心情がとても切ないんですよね…。
次にエルヴィラを演じる有沙瞳さん。
ドン・ジュアンを愛した故に修道院を去り、やがて嫉妬や欲にまみれてしまう難しいキャラクターを演じました。
有紗瞳さんといえば、おしとやかな雰囲気のある実力派の娘役さんというイメージ。
その有沙瞳さんが、嫉妬に狂っていく様を演じるのは衝撃的でした!
愛した人に見てもらえない辛さと、女の欲深さが見え隠れする演技が素晴らしかったです!
その他にも、彩みちるさん演じるマリアとマリアの恋人役を演じた永久輝せあさん。
この二人のキャラクターとドン・ジュアンが織りなす三角関係が物語で最も中核にあり、どのキャラクターに感情移入するかで全然見え方が変わってくるのも面白いと思いました。
宝塚が描くドン・ジュアンの姿
ドン・ジュアンは元々オペラであり海外のミュージカルでバッドエンドな作品です。
オペラ版と宝塚版は大きく異なり、宝塚の良さが出ている作品になったのではないでしょうか。
それでも、暴力など過激な描写があるこの作品。
なぜバランスを保つことが出来たのか?
それは大きすぎる望海風斗さんの存在だと思います。
望海風斗さんは、ただカッコいい男役さんだけではなく、生々しい色気をあわせ持っている男役さんだなぁと思います。
完璧な王子様ではないけれど、どうしようもなく惹かれてしまう。
そんなあらがえない魅力を持ちながら、マリアと出逢った後、純粋に愛を求める様はそれこそ宝塚の男役…!
という感じで、その両立が出来る最強の男役さんが望海風斗さんなんですね。
作品のテーマでもある「愛のために死ぬ」は、望海風斗さんが演じると説得力が凄い!
この作品の成功には、海風斗さんのドン・ジュアンは絶対条件だったのだろうなぁと思わずにはいられません。
ラストは是非ご自身で体感して欲しいのでネタバレは避けます。
最後の最後まで観客を惹きつけて離さない展開になってますので期待して観てみてください!
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おわりに
今回は雪組公演「ドン・ジュアン」について観劇の感想などをまとめました。
2021年、望海風斗さんは宝塚をご卒業されました。
望海風斗さんが今後どんな活動をするのか期待が止まりません!(2021年6月現在)
ですが、やはり男役の望海風斗さんが恋しい…!
と思っていらっしゃる方。
色気・美声が満載の望海風斗さんが観られる「ドン・ジュアン」はオススメします!
最後まで読んでくださりありがとうございました。