壬生義士伝(宝塚雪組:望海風斗)のあらすじと感想は?キャストもチェック!

こんにちは!

今回ご紹介するのは、2019年雪組大劇場公演「壬生義士伝」です。

浅田次郎原作の日本物、そしてその衝撃的な展開は多いに話題を呼びました。

今回はそんな「壬生義士伝」の気になるあらすじやキャスト、観劇の感想や見どころをまとめました!

どうぞ最後までお楽しみ下さい。

壬生義士伝の概要

公演概要

かんぽ生命 ドリームシアター
幕末ロマン『壬生義士伝』
・原作:浅田次郎「壬生義士伝」(文春文庫刊)
・脚本・演出:石田 昌也

【公演期間】
・宝塚大劇場
2019年5月31日(金)〜7月8日(月)

・東京宝塚劇場
2019年7月26日(金)〜9月1日(日)

主なキャスト

・吉村貫一郎:望海 風斗
→新選組 家族に仕送りをしている

・しづ/みよ:2役 真彩 希帆
→しづ:吉村の妻。夫の帰りを待つ
→みよ:京の両替商の娘。吉村に想いを寄せる

・大野次郎右衛門:彩風 咲奈
→南部藩の重鎮。
吉村は部下であり竹馬の友

・土方歳三:彩凪 翔
→新撰組副長

・斎藤一:朝美 絢
→三番隊隊長。吉村と反りが合わない

・沖田総司:永久輝 せあ
→一番隊隊長

・松本良純:凪七 瑠海
→医師。華族

・大野千秋:綾 凰華
→大野次郎右衛門の嫡男

・吉村嘉一郎:彩海 せら
→吉村貫一郎の長男

・みつ:朝月 希和
→吉村貫一郎の娘

・みつの少女時代:彩 みちる

壬生義士伝のあらすじ


映画やドラマにもなっている、浅田次郎氏のベストセラー小説「壬生義士伝」。

「壬生義士伝」は、今まで宝塚歌劇団で描いていた新撰組とは少し異なる視点からの物語となっています。

その大きな理由が、岩手の南部藩足軽「吉村貫一郎」を主役にしている点にあります。

なぜ彼が主役なのか、そこからこの物語の魅力が生まれています。

【あらすじ詳細】

2002年にドラマ化、そして2003年に映画化され大ヒットを記録した、浅田次郎氏のベストセラー小説「壬生義士伝」が、宝塚歌劇で舞台化!

幕末、南部藩の下級武士として生まれた吉村貫一郎は、貧困にあえぐ家族を救う為に妻・しづを残して脱藩し、新選組隊士となる。

朴訥な人柄でありながらも北辰一刀流免許皆伝の腕前を持つ貫一郎は、金の為、ひいては盛岡に残る妻子の為に危険な任務も厭わず、人を斬り続ける。

しかし時代の流れには逆らえず、新選組は鳥羽伏見の戦いで敗走。

隊士達が散り散りとなる中、深手を負った貫一郎は何としても故郷への帰藩を請うべく大坂の南部藩蔵屋敷へと向かうのだが、そこにいたのは出世し蔵屋敷差配役となった竹馬の友・大野次郎右衛門だった…。

宝塚歌劇でも新選組を題材とした作品は過去に多く上演しておりますが、これまでとは全く異なる視点から描かれる新選組の物語となります。

近藤勇、土方歳三、斎藤一、そして沖田総司…新選組の名だたる隊士が一目おいた田舎侍・吉村貫一郎。武士としての義、家族への愛、そして友との友情という人間ドラマが凝縮されたこの作品に、望海風斗率いる雪組が新たな挑戦をいたします
(引用:宝塚公式ホームページ)

壬生義士伝の観劇の感想と見どころ

見どころをぎゅっと3つにまとめています!

トップコンビの技量にひれ伏す

この作品で望海風斗さんが演じる吉村貫一郎は、正直トップスターらしくない役。

そして真彩希帆さんとのコンビも、あまり見せ場が無いという難しい関係性であったと思います。

そんな中でも見せ場を作ってしまう、トップスターがするに相応しい役にしてしまう、そんな技量がこの作品を何倍もおもしろくしていたと思います。

「吉村貫一郎」はとてもピュアな心の人で、望海風斗さん自身のピュアさと吉村貫一郎の魅力がぴったり重なっていました。

自然な南部弁や日本物の所作もあいまって、素朴で優しい男性像が表れていたと思います。

しかし剣の腕は超一流で、新選組の中で一目置かれる存在となる。

このギャップがより主人公としての存在感を増しているなぁと感じます。

故郷の南部藩、そして何より家族を愛していた貫一郎。

愛するあまり彼がした選択に対しての時代の流れが残酷で…涙なしでは観られません。

そして真彩希帆さんが演じるのは、貫一郎の愛妻「しづ」と貫一郎に心を寄せる両替商・鍵屋の娘「みよ」の2役。

トップ娘役さんが2役を演じることは無いことではないですが、非常に珍しいですし、それだけコンビの見せ場は少なくなります。

しかし真彩希帆さんは、その演技力で陽のエネルギーと和物の控えめなお芝居をこなしていたと思います。

またその美声を如何なく発揮し、貫一郎を見送るシーンでは、ふたりの声が重なるだけで涙が出そうになりました。

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雪組で新撰組をやるということ

宝塚で幕末・新撰組といえば「るろうに剣心」「誠の群像」などなどたくさん上演されており、特に「日本物の雪組」では上演することが多いです。

そのため公演が発表された時に、正直既視感がぬぐえないとの反応もありました。

しかし、壬生義士伝を観ると、あの作品は日本物の雪組でしか成しえなかっただろうな…とまで思わせてくれました。

それには新撰組を演じる雪組の男役さんたちの活躍が大きく関係しています!

めんどくせぇと言いながらも仲間思いの「土方歳三」を演じた彩凪翔さん。

孤独な剣士、「斎藤一」を演じた朝美絢さん。

病の中戦い続け、儚く命を散らした「沖田総司」を演じた永久輝せあさん。

この3名が特に印象に残っていますね~。

もちろんカッコいいし美しいのですが、それ以上に熱い!

日本物の経験が豊富なので、殺陣や立ちまわりが素晴らしいですし、ちょっとした所作が全て美しい!!!

このキャラクターたちは新撰組の中でも特に有名な方々ですよね。

普通なら主人公になるキャラクター達です。

この作品の面白いところは、一見普通の人である吉村貫一郎が主人公であること。

また新撰組のスターたちが彼に一目置いているという関係性ではないでしょうか。

新撰組のサイドストーリーを覗き見ている気分になり、新撰組ファンの方も大いに楽しめること間違いなしの作品です!

悲劇の中にある宝塚の良さ(ネタバレあり)

新撰組というと、どうしても悲劇的な結末になってしまうことは否めません。

そして、ただ家族のために新撰組になり命を落とした「吉村貫一郎」を主人公にしている点も悲劇要素が増しています…

ほんとうに気持ちが沈む展開であることは間違いないのですが、宝塚でよかった…!と感じるポイントがあります。

それは、ラストに出演者総出のシーンがある点です。

皆さん「役」として立っているのですが、亡くなったキャラクターとまた再会することができ、そしてその中で笑顔の望海風斗さんや真彩希帆さんにも会えます。

まるで映画「タイタニック」のラストに登場する回想シーンのような…そんな束の間のハッピーエンドを魅せてくれるのが宝塚らしくて私は救われました。

中には物語の本編だけで、余韻を持たせた終わり方をして欲しいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんのでこれは個人の好みかもしれません。

今回は雪組公演「壬生義士伝」について気になることをまとめてみました。

最後にインタビューで望海風斗さんがおっしゃっていたことを引用させて頂きます。

「大きなことを成し遂げたわけではないけれど、周りの人の心に何かを残していく」という生き方に魅力を感じ、「トップとして、吉村のような人になれたら」と憧れを抱いている。

こんな風に物事を考えられる望海風斗さんだからこそ、吉村貫一郎がより魅力的なキャラクターになり、そして作品の魅力にもつながったのだろうと思えます。

観た人の心に何か残してくれる、そんな作品になっていますので是非とも「壬生義士伝」観てみて下さい!

最後まで読んでくださりありがとうございました!

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